過去に開催された「新月の会」のご紹介

第20回 新月の会 
2003年 4月 2日(水) 
松栄堂畑正高+柳瀬宏秀
「香りから、日本文化を語る」

第二十回 新月の会は 「香りから、日本文化を語る」


新月の会(第1回から数回)は、実は、香道の体験から始めました。

アロマテラピーなど、香りに興味のある方々が
増えていると思いますが、
日本人にとって、香りが、どういう意味をもっていたか?

まさしく、見えないもの「香り」から
何を感じ、生み出し、日本文化が成立していたのかを、
ともに感じる空間を生み出したいと思います。

場所は、セルリアンタワーの美しい能楽堂。
この神域で、松栄堂さんの醸す香りを楽しみながら、
香りから、日本文化を感じてみる、
そんな、機会になると思います。
また、松栄堂さんから、お土産もご用意いただける予定です。


今回、香りから、日本文化を語っていただく、
畑正高さんは、前回の新月の会に、京都からご参加いただき、
夜遅くまで、語りあった、河合隼雄さん、梅若六郎さん、黛まどかさん、千方可さ
ん、
たちと同様、日本文化を見えないものから感じ、語ることに賛同いただいている
新月の会の仲間です。
先日は、京都・南禅寺での、松栄堂主催の「香りとお茶の会」で、香道を
体験させていただきました。


香りの感覚から、改めて日本文化を感じることを一つのきっかけに、
生活の中での香りというものをもう一度、見直してみる機会にしたいと
思っております。


新月の会 主宰     柳瀬 宏秀


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第20回 新月の会
新月対談 松栄堂代表取締役社長 畑正高 +柳瀬宏秀

「香りから、日本文化を語る」

日時:4月2日(水)  19時 開演  (18時 開場)
場所:セルリアンタワー能楽堂
http://www.ceruleantower.com/access/index.html

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出演:京都で、香りづくりの老舗、松栄堂12代目の畑正高
                  +柳瀬宏秀(プロデューサー)

松栄堂代表取締役社長 畑正高 

昭和29年2月6日 京都生まれ
昭和51年 同志社大学商学部卒
平成10年6月 代表取締役社長に就任 現在に至る
社業に加え、同志社女子大学 非常勤講師をはじめ、香文化の普及発展のため、国内
外での講演・文化活動を多数担当。(社)京都経済同友会 幹事のほか、(財)京都
産業21 理事、環境省「かおり風景100選」第1回選考委員などの公職もつとめる。

おもな執筆:
“香の文化史”- 『和風?田流和風堂季刊誌 平成9年夏号より連載中
関連書籍:
『王朝のあそび』切畑 健・畑 正高 他共同執筆/しこうしゃ
『香 千 載』 石橋 郁子 文・畑 正高 監修/光村推古書院

会費:4000円 (当日4500円)
主催:新月の会
協力:松栄堂

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懇親会  新月対談の後 21時00分より
      近くの料理屋にて  
         会費 5000円  (出演者 出席します。)
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第十九回 新月の会のことが、
中外日報3月13日版に、写真入りで、掲載されています。


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”見えない世界”を語る
「新月の会」河合・梅若両氏迎え
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写真
(対談する梅若氏、河合氏、柳瀬氏)

 新月は見えない月。その新月をたとえに「目に見えないものを感じる」
という切り口で、日本文化をとらえ直そうと活動の輪を広げる新月の会
(柳瀬宏秀主宰、静岡県函南町)は、新月ごとに行事を催している。
 今月は新月に当たる三日に、東京・神宮外苑の日本青年館大ホールで、
第十九回「新月の会」を開催。ユング研究家で文化庁長官の河合隼雄氏、
観世流シテ方梅若家当主の能楽師・梅若六郎氏が柳瀬主宰を交え対談。
それは、見えない世界と響き合う感性を呼び覚ますための試みでもあった。
 河合氏は基調講演で、「見えないものを物語るよい方法である」神話に
ついて語り、ギリシャ神話や日本の記紀神話などを例にあげ、感じ取ること
の大切さを強調。形容詞”においたつ”から「美しさを中国では音で、日本
では匂いであらわしてきた」と日本文化をかたちづくってきた感性のゆたかさ
を古語によっても紹介した。梅若氏は能の「羽衣」を実際に舞い、観客を
見えない世界へといざなった。
 雰囲気がととのったところで、柳瀬氏は「精神界と現象界が循環する」
祭りが日本人に与えてきた影響の大きさを、月のリズムに即して解き明かした。
 ”進化する太鼓奏者”響道宴氏の和太鼓演奏を間に挟んで対談へ。
 柳瀬氏は日本語の一人称が明確でない点を取り上げ「”私”があいまい
なのではなく、何にでもなることができる」と言語から見えてくる日本文化の
特性を指摘。河合氏は『華厳経』に基づき「全部の関係の調和がいわば”私”
であって、仏教では(近代西洋思想でいうところの)”私”がない」と応じた。
 また、柳瀬氏がユングの示したシンクロニシティ(共時性)の説明を求めた。
これに対して、河合氏はシンクロニシティにおいて、内的体験が重視される
ことを示唆。「私は(心理学など)見えないものを職業としている。相談に来た
人の見えないものを感じられなければ意味がない」と述べるなど、改めて
新月の会の主旨に賛意を表した。
 梅若氏も「私は舞台の人間。観客とは見えない世界を共有できるように能に
精進したい」と能を通して今回の対談の意義を強調した。

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また、アネモネの4月発売号にも、4p掲載されるようです。

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追伸


「人生の極みは、勝たない事。」

先日誕生日に、送られてきた言葉を思い出します。


ブッシュも、フセインも、

「神の加護によって勝つ。」

と同じ言葉を。


一昨年、9.11の時に、

「正義という呪縛から、人類がいっせいに解き放たれるために」と

祈り始めました。

本門寺での満月の十三祭りは、実は、

9.11の後の仲秋の日に、本門寺で祈りの集いをもつことから始まりました。

     主 旨 文

今回の犠牲者とそのまわりの人の悲しみ、苦しみ、焦燥感、生命としての危機感、そ
れを深く感じるところから、改めて哀悼の意を表したいと思います。

それと、同時に、仕組まれたシステムの中で、このままではその何倍もの、何十倍も
の、犠牲者の出現を、感じることから、・・・
戦争をとめたいという「思い」と「意志」をもち始めました。

平和のために、テロを撲滅する。ということと、報復する。ということの間に、行動
としては同じ方向に見えても、心の動きとしては、大きな隔たりがあることを感じま
す。

平和への、生命のための、「思い」と、生命を破壊するための思いと、その違いを感
じること。それは、報復の感情が、平和のためのテロの撲滅という目的から、はるか
に超えてしまっていくこと。報復は正義の名のもとに、殺戮となっていくことを見据
えたいと思います。

兵器を作り、軍備を配備し、戦いのシュミレーションを準備している「心」は、こう
いう機会に、一気に、「報復」ということばと、「正義」とを結びつけ、自動的に、
憎しみと殺戮を準備し始める。

その心が、戦争を生み出す。

どうして、報復、仕返し、という感情を、正当なこととして、正義として人類が培っ
てきたのか?この心の傾向を、二十一世紀、新たな形で、直視し、乗り越える、必要
があると考えます。

自爆テロは、まさに、正義だからできることです。正義と正義の闘い。そのために、
何をしてもいいという正義という呪縛からの解放を、いっせいに、目指したいと思い
ます。

戦争が起こる、それをとめることは、難しいとわかっていても、
間に合う、間に合わないということを越えて、今、思いをもつこと。思いをもって動
くことから、人類が培ってきた、戦争の、報復の、システムから、解き放たれる可能
性に向けて、
そして、この戦争が、奇跡によって、報復ではなく平和を目的として収束することに
向けて、何ができるかを考え、さらなる平和への共振の波を生み出すことが、この集
いの目的です。

そこに、二十一世紀の人類の課題を見い出します。どう乗り越えていくのか。それ
は、理屈ではなく、もっと、生命の本質にたち帰る。人類が、進化する可能性が、試
されているのだと思います。

仲秋の名月に、以上の「思い」をもって、月見の集いを、池上本門寺の本殿前で、行
ないます。

ひとつひとつの「思い」の光をろうそくに灯し、ひとつの月を通して、アメリカにい
る人々まで、世界中の人々にまで、「思い」を届けるように、ひとつひとつの平和へ
の「思い」を込めて、太鼓を打ちたいと思います。


                             柳瀬 宏秀 

満月の十三祭りが、終わった瞬間に、同じように、

正義と、勝利を目指した、戦争が始まることに、

偶然にしても、そして、一昨年の仲秋のあの時も雨であった事、満月の十三祭り、最
終章も雨であったことなど、

様々な思いが交錯します。


今、そして、今年、そして、来年、何をなすのか。

京都・満月祭り の 9月は、
仲秋の日。

梅若六郎さんと、仲秋には、ずっと一緒にやると、
3月3日の新月対談でも、紹介した京都満月祭り。

今年の仲秋は、9.11.

昨年、梅若さんは、ニューヨークに行き、「祈り」という創作能を
声明と一緒に舞い、そこで、封印されてきています。

場所を、
平和への思いを、本気で込めた薪能を、
日本から、平和への思いを発信するのに、
先週、平安神宮から、と決めました。

これから、どこまで、多くの人の思いを合わせることができるか、
「場所」と「時」を選び、祭りの魂を甦らせ、
どれだけの思いを合わせることができるか、真剣に、考えたいと思います。


昨年の時間をはずした日の祭り、
満月の十三祭りへの、
喜多郎さんの思いです。

喜多郎

それは、われわれが願っている世界平和を
この7月24日の満月、25日、時をはずした日に、
24日は、満月ではないところもあるので、
世界を含めたワールドワイドな満月の祭りに、
ということで、2日間になりました。

音楽というのか、音というのか、波動というのか
この東京のなかで、非日常という場所で
一人一人の心の中に、今までにない平和を願う気持ちが生まれてくればと思います。
7月24日、25日には、全身全霊を込めて、自分のものを出し尽くしたいと思いま
す。

今年、8月12日の喜多郎さんの京都・満月祭りは、
千年の伝統がここに生まれる、という京都・満月祭りに込めた思いを
日本に、世界に伝える為に、
先日、会った時に、平安神宮で、と決めたことを思い出します。


この平和への強い「思い」を共有している喜多郎さんとも、
意志を確認し、

平安神宮からの祭りを、人の平和へ思いが、歴史の中から、世界に向けて
立ち上る祭りに、と思います。

ブッシュの決断を誰も、止めれない、この今の集合意識に対して、
責任がない人間は、どこにもいない。

2週間ほど前の朝日新聞に、イラク近くに派遣されている米軍の兵士達の間で、
反フランス感情が高まっている記事を目にしました。
つまり、仕事として、兵士である以上、
最大の効果を・・・・と考えるのは、当然・・・・
4月になると、戦いづらくなる自然環境を前にして、フランスの反対で、
闘えなくなる、勝ちづらくなる、その邪魔をしているフランスが憎くなる。
といった風に、感じました。

つまり、戦争を想定した仕事、
戦争のため、人を殺す為の兵器を作る以上、
その人たちの心を、心の動きを感じれば、どういうことが起こるか
本来、自明の事だと思います。

憲法9条の、本当の意味を。
それは、非現実な条文ではなく、
本気で平和を望むなら、それ以外、ありえない。
戦争放棄と、軍隊を持たないこと。

侵略されずに、
戦争のない世界を実現する目的でつくられ始めたのが、
国際連盟であり、国際連合であるならば、
もう一度、その原点に戻る必要がある、と思います。


「正義という呪縛から、人類がいっせいに解き放たれるために」
これは、昨年の9.11に向けて、書き上げる予定だった本のタイトルでもありま
す。

時間がなく、
書けていないこの本を、少しでも書き進めることを宣言します。

9.11に、人に読んでいただけるように。

平和への思いと、願いを、日常的にもつことで、生活の中から
集合意識の中から、怖れと、恐怖と、不安を
一緒に、消滅させていく。
自然の摂理の合わない正義など、
10倍の報復も正しいとする正義など、
千年後の叡智から見れば、滑稽でしかない。
そんな意識が常識となるような、コミュニケーションを目指します。


国連は、国連がないところから、
思いがあったから生まれたものです。
その「思い」に戻るところから、
平和への一歩が始まると思います。

日本の首相の、日米同盟が一番重要だ、というのは、理念のない言葉です。
現実は、そうかもしれない。今の集合意識の状況では・・・・・・
でも、そのまま、戦争であろうが、何であろうが、
追随していけばいいという生き方を、
まず、自分から、正しいということによって、進化と進歩から、遠ざかる態度です。

今、どういう「思い」を醸成していくのか?
それが、問われているのだと思います。

イラクの復興の事を語るより、
日本人の心、平和への思い、多民族への尊重を形骸化させていっていることに
加担し、加速させている事を感じて欲しい。

「思い」を醸成する、
そのために、時間をはずした日の祭りはあり、
満月の祭りも、呼びかけているわけです。

その思いが、人だけのものでなく、自然の、宇宙の摂理と同調する。
それが、祭りのひとつの意味だと思います。

「思い」を合わせるために、思いを。
そこから、
コミュニケーションが生まれると思います。

動きが生まれると思います。

そんな中から、「思い」から、もっと新しい国連が、もっと心に近い、思いに近い
何かが、生まれることに。

その第一歩を、どこからでも、思いを発信して行きたいと思います。

人が集う場では、今、目に見えないものを感じると言う主旨から、
祈りの瞬間をもちたいと思います。


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