満月の十三祭り 主旨文
満月に、祭りを、

 

満月の十三祭り 

東京池上本門寺 『満月の十三祭り』について、

満月の日に、「祭り」が行なわれる都市。
イベントを「祭り」に変えるのは、「祭り」がイベントになった、その逆の道を辿ればいい。

まず、「時」と「場所」を選ぶこと。
そして、まわりの自然を、季節を、感じるという環境意識を、取り戻すこと。

満月という「時」を選ぶ。
あまりにも簡単なことのようですが、
そのことによって、すべての生命をつかさどる大きな宇宙のリズムにあわせて
本門寺が、呼吸し始める。

そして、無意識のうちに、人が、
いつ満月か、知るようになり、人が、生活のなかに、自然のリズムを取り戻し始める。

イベントが、自然のリズムにしたがって行なわれ、
それにたずさわる人が、月のリズム、宇宙のリズム、を感じ始めた時、
お金と効率しか求めない精神が、変化し始める。

「祭り」から、祭りの魂が失われたのと反対に、
イベントに、「環境意識」が、祭りの魂が蘇り始め、そこに「祭り」が生み出され始める。

今年は、日蓮宗開宗750年というこの区切りの時期に、
「池上本門寺ここにあり」というコミュニケーションを始めたいとのご主旨があり、

日蓮聖人の教えを甦らせる時空を超えるパフォーマンス、
自然を感じる、感動から宇宙的感覚を導く、月を感じる空間の広がり、
宇宙の摂理を感じ、平和への祈りを伝える、そんな祭りを満月ごとに、
本門寺で繰り広げたいと思います。


言うまでもなく、この『満月の十三祭り』の目的は、
この本門寺での祭りを端緒に、
東京中に、満月ごとの祭りを提案し、その広がりが、日本中に、そして世界に、
というビジョンから生まれたものです。

宇宙のリズムに共振する都市の誕生。

まず、満月の日に「祭り」を。

都市に働くすべての人が、無意識のうちに、百二十九年前の日本人のように
いつ、満月かを知り、感じるようになる。

最後に

この提案は、地球という星全体を考えた時、
都市の再生は、都市に住む人が、自然のリズムを取り戻せるかどうかにかかっている。
という認識から出発したものです。

環境問題が引き起こすと予想されている災害、人災の解決抜きに、
100年壊れないビルや、都市など、どこに意味があるのか?
という認識から、どうやって人が、環境意識に目覚め、その環境意識から、
現実の生活を変えていくことができるかという課題を、
根本的に解決していくための第一歩を踏み出すための提案です。

宇宙のリズムに共振する都市の誕生。

まず、満月の日に「祭り」を。

まわりのものを「感じる」という環境意識。
そして、そのまわりのものがあって、
すべてがつながって、
生命が成立しているという単純な科学的事実。

その二点を、人が意識する方向に生活をチェンジすること。
都市の再生も、本来の商品も、その環境意識から生まれるべきもので、
まわりのものを「感じる」ところから生まれる。

自然のリズムを取り戻すことなしには、ありえない構造改革であり、パラダイムシフト。
それを、東京に、満月ごとに「祭り」を生み出すことから、
この街から、日本中に、
そして、世界中の都市が、街が、社会が、
自然のリズムを取り戻すことをビジョンとして描きたいと思います。


                 プロデューサー

                            柳瀬 宏秀


注)本文は縦書きにて配られたものですが、ページの都合上横書きにて掲載しました。


[記者会見(2002/04/19)の様子]


関連サイト

満月の十三祭り公式ページ

池上本門寺