『アリエール×柳瀬宏秀』対談 (アネモネ 2000年5月号より)

『アリエール×柳瀬宏秀』対談

(アネモネ 2000年5月号より)

 

人と地球を癒す、古代マヤからの聖なる叡智

マヤン・オラクルと13の月の暦がいざなう人類と自然のほんとうの共生とは?
         
(メイン)
太陽や月、自然のリズムを感じて、地球とのつながりを復活させる。

(リード)
マヤン・オラクルの創始者であるアリエール・スピルスバリーさんと、コズミックダイアリーの著者の柳瀬宏秀さん。お二人がマヤの叡智をどのようにして現代にいかすかについて対談されました。マヤのもつ叡智が、私たちの未来の鍵を握っているのかもしれません。

(キャプ1)
「太陽と月と地球の関係の中で、地球に生きているすべての生命は28日のリズムをもっている」と柳瀬さん。

(キャプ2)
「一人ひとりがユニークだという意味で、人間は存在そのものが星なのです」とアリエールさん。


お話◎
柳瀬宏秀さん(コズミックダイアリー著者)
アリエールさん(マヤン・オラクル創始者)
通訳&コーディネート◎穴口恵子さん(ダイナビジョン代表)

What's THE 13 TH MOON CALENDAR?
13の月の暦って何?


ひと月28日を基本とした暦で
宇宙のリズムに共鳴し
自然とのつながりを取り戻します

 13の月の暦は、ホゼ&ロイディーン・アグエイアス夫妻によって、マヤ暦をベースにつくり上げられたまったく新しいカレンダー・システムです。伝統的なマヤ暦というのは今でも中南米のごく一部で使われていますが、13の月の暦はそれとは違い、現代人が自然のリズムを取り戻すことができるように時間を学ぶツールとしてつくられています。
 13の月の暦では、1年のはじまりを7月26日、終わりを7月25日とし、基本的にふたつの暦を併用します。まず一つが1年=365日の暦。1か月を28日サイクルとして、1年が28日×13か月=364日、そして最後の1日=「時間をはずした日」を足すことで1年が365日になります。もう一つがツォルキンと呼ばれる260日の暦で、ふたつの暦は歯車のように助け合って物質と精神の両面を調和させる作用があるといわれます。
 13の月の暦を使うことで私たちは、グレゴリオ暦がもつ(自然界には存在しない)人工的なリズムから解放され、宇宙のリズム自然のリズムを次第に感じられるようになり、それが私たちのシンクロニシティを呼び起こすことになるといいます。そして、すべての生命(自然)と共通のリズムで生きはじめることにつながっていくのです。


THE DAY OUT OF TIME
時間をはずした日の祭り2000


7月25日は、みんなで一緒に
自然のリズムに還りましょう。

 去年1999年7月25日に行なわれた「時間をはずした日の祭り」では、日本で100以上、世界で300近くのコンサートやイベントが行なわれました。今年の7月25日にも、世界中で「祭り」の呼びかけが行なわれています。
 時間をはずした日の祭りは、「グレゴリオ暦」の時間の枠組みでがんじがらめになった人間を解放し、人々の意識を変容させるきっかけをつくり出そうという、全世界同時開催の大イベントです。そして、その主催者は皆さん自身です。
 コンサート、イベント…など、精神を高揚させる「祭り」を皆さんもやってみませんか? 10人でも20人でも100人でも1000人でも、集められるだけで大丈夫。「祭り」を通じてお互いが知り合い、感じあい、地球を活性化させましょう。
 もし、そんな「祭り」をやろうという機運が生まれたら、「場所と時間と何をやるのか」を下記までご連絡ください。


●時間をはずした日の祭り 連絡先
E-mail:d09688@dentsu.co.jp
Fax:03-5551-2256
鞄d通エンタテインメント事業局
プロデューサー 柳瀬宏秀

13の月の暦の提唱者であるホゼ&ロイディーン・アグエイアスご夫妻は、人類が本来の能力を発揮して生きることができるように、世界中で講演活動をしています。


What's THE MAYAN ORACLE?
マヤン・オラクルって何?


自分の本質とのつながりを回復し、
魂が進化することをサポートします。

 マヤン・オラクルは、顔のカード、数のカード、レンズのカードの3つと解説書からなります。カードを選ぶことは、私たちが自分の本質と強くシンクロすることを助け、力強いエネルギーをもつオラクル(神託)を受け取るという意味をもちます。マヤン・オラクルは、1987年、アリエールさんと共著のマイケル・ブレナーさんが参加した「ハーモニック・コンバージェンス」(「13の月の暦」の提唱者アグエイアス夫妻の呼びかけによるイベント)にインスピレーションを受けて誕生しました。
 カードを引きその意味を探ることが使い方ですが、マヤン・オラクルは占いではありません。アリエールさんによると、マヤン・オラクルを毎日使うことが自分を進化させることにつながるのだといいます。カードを引いてそれに心で呼びかけ、心の声を聞くことで、深いところにある叡智が呼び出されます。選んだカードは自分が共鳴することで引き当てられたもので、カードから大宇宙のエネルギーを受け取る道が開きはじめます。そしてエネルギーが自分自身、そして地球に成長をもたらすというのです。自分が選んだカードと真剣に向き合うことで、魂を成長させ、人生を変容させるサポートツールなのです。
 マヤン・オラクルで大切な点は、カードは霊的な指図をするものではなく、あくまで無限の創造エネルギーに通じる場所へ導く道具にすぎない点です。


*ここから対談が始まります*

自分の内なる叡智を取り戻す
ためにできることとは?

柳瀬)  はじめての読者の方にマヤン・オラクルとコズミックダイヤリー、13の月の暦との違いをきちんと伝えておきたいと思います。まず、僕のほうからいうと13の月の暦、そしてコズミックダイヤリーはカレンダーであるということです。
 社会的に見たとき、いまのカレンダーには問題点があって、それを社会的に変えていこうという動きを13の月の暦、コズミックダイヤリーはめざしています。とくにコズミックダイヤリーは毎日書くことで、その人が自らの叡智を高めていくことができます。
 たとえば、農業や医療をやっている人は植物の成長の変化、あるいはからだの変化、育児…、僕の場合では、アイデアなど日記に毎日書いていく。
 日記を書いてわかった自分の変化と月の動き、そして地球の動き、宇宙の動き、その関係性を感じることによって叡智を身につけていくのです。
アリエール)  いまという時代、私たちは分離してしまった意識を乗り越え、すべての人々が一つになる必要があります。私たちの時間に対する感覚をマヤでいう「聖なる時間」に戻すことが強く求められているのです。
 これは、その概念を採り入れる、入れないの問題ではありません。どうしてもそういうサイクルにもっていかなければならないほど重要なのです。
 13の月の暦は、人間の時間の感覚を宇宙のリズムに戻すためのものです。暦のそれぞれの日というのは、聖なるエネルギーの波動を表わします。
 一方、マヤン・オラクルというのは、ある意味で色づけみたいなものです。カードは神聖のもついろいろな側面を表わし、そのエネルギーはある意味でのパズルのピースみたいなものです。それを使うことで、エネルギーが組み合わされ、女神意識や神聖というものがまとめ上げてられていくのです。

芸術によって精神性と地球を
活性化させていきましょう

柳瀬)  芸術の役割をどう思われますか。
アリエール)  私たちは創造を通して、神と直接コミュニケーションしているようなものです。ですから、人々がクリエイティブなことに関わっていくことはとても重要です。
柳瀬)  ご存じのように、13の月の暦では時間をはずした日(P62コラム参照)というのがありますね。その日には芸術によって精神を中和させる空間をつくろうという祭りを計画しています。それは本来の芸術、あるいは祭りが、精神界と現象界をつなげるものだと考えているわけなのですが…。
 その祭りを3年間、1999年、2000年、2001年やろうと…。精神的なものと現実的なものを融合させるなかで、人々が認める芸術によって、人々のスピリチュアリティを活性化させ、そしてガイアを活性化させることにつなげていくのが目的です。
アリエール)  私たちがいう地場の活性化というのは、いまあなたがおっしゃったことと同じです。ある一定の人間が意識を向上させることによって人類レベルでシフトしていくことをめざしているのです。人々が、時間の概念を聖なる時間に変えることによって、すべてが変わっていくと思います。
柳瀬)  そういう意味でいうと、できるだけ多くの人が、時間や自然の本来のリズムを取り戻し、それによって社会のシステムを変えていくことが大切になってくると思います。
 私たちは、効率とかお金を求めて、生きるリズムがほかの生命と変わってしまったために、自然との共生がむずかしくなっています。そこから脱出するためには、生きるリズムを変えないといけない。もしそれをしないのなら、いろいろな手を打ったとしても結局、同じようなシステムの継続につながっていく…。
 日本は、いま地球が変わっていく上で何か意味があるのでしょうか。ハワイとの関係も聞きたいのですが。

月はおろか太陽さえ感じない
子どもが増えている日本…。

アリエール)  日本、そして日本人にはすごく重要な役割があると思います。スピリチュアリティにおいて日本人は世界の国々のさきがけになっていると思うんですよ。
 日本人は昔太陰暦を使っていましたよね。ですから日本人にとっては、月の暦、太陰暦を使うことは自然に身についていることなんです。
 また、なぜだかはわかりませんが、マヤとチベットと日本にはエネルギーレベルでの強いコネクションがあるようです。3つの民族間で深いつながりがあるんです。その3つの民族の住んでいる3角地帯、さらにハワイをつなげると3角錐が二つ重なった状態の図形になるんですね。
 この形が意味するところは、ハワイはすごく女性性を象徴する場所で、マヤと日本とチベットは男性性を象徴するポイントになっている点です。
柳瀬)  日本人は太陰暦をやめてから126年。ほとんどの若い女性、あるいは男性はもっとなんですが、いつ満月かということを知らないで毎日を過ごしています。
 そして満月を見ない親たちに育てられた子どもたちの3分の1が、朝日夕日を見たことがないというのです。月を感じない親たちに育てられた子どもたちは、太陽さえも感じない。
 そういう子どもたちは、たとえば番組のドキュメンタリーとかで、どうして人を殺してはいけないの、と真剣に聞くんですね。理由じゃなくて、それ以前に感じること、つまり太陽を感じなくなった人たちは、ものを感じることを失いつつあるのです。
 でも、アリエールさんがおっしゃったように日本人は昔から、月見、花見、雪見をして…月を見ることによって多くのことを感じてきました。それをいま大至急取り戻さないといけない。

地球とつながる感覚を
思い出させるマヤの暦

アリエール)  人間が感じなくなったことは、私たちが地球とのつながりを失ってしまったということでもあります。人間は熱帯雨林を破壊してしまうなど、どんどん地球を破壊しています。
 人類の間でガンが広まっていますけど、これは同時に地球もガンにかかっているということの証なのですね。地球が病んでいるから人間も病む。お互いが共鳴し合ってるんです。
 マヤの暦はその感覚すらも取り戻してくれるんです。感じることができたら何も破壊することはできませんから。
柳瀬)  感じることというのを……しなくてはなりませんね。
アリエール)  重要なことですね。そういう理由で私はマヤン・オラクルをつくったのです。マヤン・オラクルは読み物としてあるのではなくて、実際にマヤのエネルギーで遊んで、関わるということに意味があるのです。
 聖なる時間では、毎日の味わいがちがいます。その日その日が違ったエネルギーというか、フレーバーをもっているのです。そういう見方をすることで、一日一日が銀河の流れの連続みたいなものに感じることができます。
 マヤでは、2012年のシフトの期間までを、カウア、青い嵐のカードのサイクルだといいます。カウアというのは、浄化が起こっていることの象徴です。ツォルキンの暦では、私たちがいる時代というのは、2万6000年周期の最後のポイントにあたります。
 この時期、すべての人が大きな変化と浄化のプロセスを経験することになっています。私たちの陰の部分、私たちが見たくない部分、癒される部分が浮き彫りにされて、それを癒しなさいよ…という時期でもあるんですね。
 マヤン・オラクルとは、その時に道に迷わないように、ちゃんと目的地に行けるように道を示してくれるロードマップのようなものなんです。
柳瀬)  去年の時間をはずした日の祭りのとき、日本のいろいろな場所で、いろいろな形で虹が出たんですが、最後にアリエールさんが虹に対してどういう意味を感じられるかを。
アリエール)  虹というのは神さまが見せてくれるある種の象徴で、「私たちはみんな一つなんだよ、みんなつながっているんだよ」ということなのです。
 虹は非常に調和のとれたエネルギーです。マヤのある予言では、マヤの神さまが世界を取り囲んで次の次元へ上昇していくという、今そういう時期にあるともいわれています。そのシフトの時には、みんなが虹の日々を見ることができるといわれています。
 ホゼのせりふの中で、私がすごく好きな言葉があります。それは「虹とは私たちの中にある創造性のエネルギーと同じものである」という言葉です。

プロフィール アリエール・スピルスバリーさん
1945年アメリカ・ユタ州生まれ。ユタ州立大学で教育学を修め、さらにウエストミンスター大学において特別生待遇で修士号を取得。その後、ソルトレイクシティを中心にニューエイジの講座やワークショップ、コンサートなどを組織・企画し、人々の気づきの旗手として20年ほど活動を続ける。機関誌『カタリスト』創刊に携わる一方、人間のメタフィジカルな資質の開発センターであるレジェンドを設立。現在はハワイのマウイ島に住む。スピリチュアル・カウンセラー、セレモニストとして幅広く活躍する。