2009年 ― 大きな分岐点の年 ヴァルム・ヴォタン |
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I. 分岐させる力 グレゴリオ暦の2008年によって、翌年2009年へと残された大きな遺産は何でしょうか? 明らかに、それは世界金融システムの崩壊と、そして、アメリカ合衆国初のアフリカ系アメリカ人次期大統領の当選です。この二つは、来年の世界情勢を決定する2つの「力」となるでしょう。そしてこの2つの力が、2009年を大きな分岐点の年にするのだと予言します。 実際には、お金なんて存在しないのです。所有というものもないのです。私たちも実存さえしていないのです。私たちが、死んだり殺したりしているのは、私たちのフィクションの中で、私たちが演技をしていた・・・なんて、とんだジョークだ、と、もし皆が気づきさえすればいいのに!お金という幻想は、なかなかなくならないし、そのお金に執着している人もまた、容易には消えてしまわないでしょう。でもお金が不要となる新しい進化のサイクルは必ずやってきますし、古いサイクルの終焉はなおさら必ずやってきます。2009年には、私たちが誰に共鳴し、何に一体感を持つかに、十分注意を払い見極める必要があります。 もちろん、相対的な次元において、状況をこれほど困難にしているのは、お金というフィクションが、バビロン的な歴史の5000年のサイクルを支配してきたからです。そして、その結果として生まれたものが――税金や戦争の恐怖、そして帝国支配なのです。実際、現代社会の事実上のすべての制度は、お金に支配され操られています。 今まさに歴史の幕が閉じるとき、このフィクションと、それを永続させるべく支えてきた機能―金融システムと世界の各国政府―が、私たちのまわりで崩壊し始めているのです。窓からお金が飛ぶように消えていく中で、お金によって維持されてきた経済システムもまた混迷し続けるでしょう。このことは、人類のかなりの割合が、厳しい現実、本当に永続的な現実、お金で売り買いできない現実に直面することを意味します。 少数独裁者たちにとっては、金融経済の破綻は、さらなる防備と権力中枢をさらに強化する原因となるでしょう。古いゲームが終わったことを受入れるのではなく、彼らは自分たちが築き上げたものにもっとしっかりとしがみつくことを望むでしょう。新しいものに投資をせず、彼らは崩壊する制度を救済し続けようとするので、持つものと持たぬ者の格差はさらに拡大し、後者の数は失業や無就業状態という被害者として急増します。 そうです、2009年は大きな分岐点の年なのです。私達が直面している危機は、地球温暖化とテロによる戦争だけではなく、今や世界市場の金融混乱も加わりました―世界的危機の3重苦なのです!テロによる戦争と地球温暖化は、お金が人間の心を支配してきた結果であり、私たちの性格をより強欲にし、暴力と自然破壊に対して、(冷淡で無関心とまではいかなくても) 不注意であることを助長してきたのです。この三つの脅威は、文明の末期の危機なのです。しかし、金融危機が、ついにその脅威を――古い世界が本当に消滅しつつあることを−―すべての人のところまで、家庭にまで持ち込み始めたのです。私達はその古い世界と一緒に死んでいくのですか? それとも、新しい世界を選ぶのですか? 人類は、自分自身を変えるための教育に身をおいたことはほとんどありません。進歩という神話に後押しされ、人類は繁栄の拡大のみが、最高に価値あることであり、優越の指標だと考えてきました。何らかの損失が生まれるサインがあらわれたときに、それをチャンスと見ることができる人はほとんどいません。もし損失が生まれると、すべての精神的な不平不満と引き換えに保険会社や薬に頼って、私たちの不安(や怖れ)を支えることを選んでしまうのです。 物質主義や消費経済(の本質)は、このシステムのための、大衆心理を操るマーケティングと宣伝の力と同じように、私たちに、今の生き方以外には人類の未来はないと信じ込ませるようにします。このために、景気が後退すると希望を失った空気が充満し、パニックさえ起きてしまいます。しかし、これは主として、豊かな国の問題なのです。世界のより多くの人たちは、いわゆる貧困ライン以下で生き、ほとんど何も持っていないので、このお話のすべてが、彼らにはまったく意味をもたないことでしょう。これからは、世界中の残りの人々の多くが、かれらに合流するようになるのです。ようこそ、グレゴリオ暦2009年! II. “いつも11月5日を思い出すんだ”ジョン・レノン「Remember」より 2008年11月5日に世界が朝を迎えると、一晩で非常に大きな変化が起きていました――第44代アメリカ合衆国大統領としてバラク・オバマの当選です。18年前ベルリンの壁が崩壊した時と同じく、バラク・オバマ氏の当選は、単なる選挙を超えた、もっと大きな意味を持つ触媒的な(作用を果たす)イベントとなりました。彼が当選したこと、またそれにより生み出された事はオバマ・ファクターと呼ぶべきレベルにまで達したのです。それほどオバマ氏はこの惑星の大衆の心に触媒的に(オバマが触媒になって、大きな)影響を与え、変化をもたらしました。このオバマ・ファクターの働きにより、2009年の世界は益々二極化が顕著に表れてきます。この現在の世界的危機を真の変化のチャンスと捉える人と、私たちが知っている世界がこれから煙のごとく消滅してしまうという事実を直視できない人とに、人類は二分化するでしょう。 オバマ・ファクターとは、彼が選挙に当選したことで、変化への欲求をバラク・オバマが具現化し、触媒的役割を果たしたことです。つまり、変化へ、全世界の意識を集中させ、大衆の心が変化への欲求に気がついたことです。 オバマ氏が人間として行なうことは、オバマ・ファクターがすでに成し遂げたことに比べれば些細な事かもしれません――大衆の意識に変革と力をもたらし、変化に目覚めさせたのです。このエンパワーメント(力を与えるという行為)は、オバマ氏の『そうです。私たちはできるのです“Yes, we can”』という、今や不滅の、そして飾らないシンプルな言葉に集約されます。一般大衆の社会的な反対運動や反乱などが頻繁に起きることになるでしょう。 もう誰も止めることの出来ない勢いで、変化に向けて動き出しました。革命は、大衆意識の奥深い部分から生まれているのです。オバマ氏は選挙に当選した大統領というだけではなく、勝利のシンボルなのです。この勝利のシンボル――この地球で最強の国を指揮する黒人、そして、そのオフィスは、これまでは圧倒的に白人に占められていたのです――このシンボルが、触媒的に働き、華やかな宴会(人生の楽しみ)というのは常に金持ちと権力者のみに与えられるもので、自分たちには無縁だと感じていた大衆の野心に、火をつけ変化をもたらしました。もっとも深い意味で、オバマ氏の勝利は白人に支配された歴史的プロセスを根底から覆したのです。 しかし、この変化はまた避けがたい新たな分裂を生む原因にもなりました。「オバマの勝利により銃に殺到する米国」(BBCニュース 2008年11月28日)オバマ氏当選の翌日、11月5日より米国内の銃の売上げが急増したことにより、このことは明確になりました。これは今後の社会現象の不吉な前兆です。 2009年には、変化を求める大衆の勢いと新時代の実現に向かう勢い、それに釣り合うようにリアクションの力が対極に出てきます。大衆主義の抗議活動が活発になるにつれ、それに匹敵するように無政府主義者やテロリストによる暴力も多発するでしょう。オバマ氏が当選したことで人々の心のなかは、大きな希望と変化の潮流が高く膨らみましたが、一方でそれは同時に不愉快で不幸な結果を生むことになるかもしれません。軍事的暴力に煽られて、世界が混乱の渦に突入していくのは、崩壊した金融システムと世界経済によって不満が高まることによって起きるのです。 11月5日は、英国議会に火をつけようと企てた(訳注:火薬陰謀事件、1605年英国)ガイ・フォークにより伝説的出来事として記憶されることになりました。であれば、そして、同じ11月5日のオバマ氏の祝勝パーティーは、多分永久的な世界の無秩序に結び付けられた導火線に、火をつけた最後の炎となるでしょう。 III. 2009年:ドリームスペルという鏡を通して 「ヴァジュラの無知という猛毒の風が、秋の嵐のようにすべてのエネルギーをみなぎらせて吹きつけ、 所有と自我のすべての考えを、ちりのように一掃する。」 トゥルンパ・チュギャム著, The Sadhana of Mahamudraより 訳注:「ヴァジュラの無知」は金剛杵。無知なものをすべて仏の智慧に変質させてしまうもの 私たちが2009年に起きると考えている変化は、まだ単に人間社会に限定された、そして非常に条件付けられた範囲での、形にはまった変化なのです。その滅びゆく世界は、時間のたった一つの次元を映し出しているだけなのです。他にもあるのです。共時性秩序として、時間の法則によって定義された、四次元の時間が存在するのです。その共時性秩序においては、人類の歴史そのものも、地球の宇宙史(コズミック・ヒストリー)のなかの三次元的な混乱に過ぎません。そうなのです、2009年は、決定的な変化と分裂の年です。そして、新しい世界だけが広がっていくのです。 ドリームスペルのシンクロ的な尺度からすると、世界中が11月5日の目覚めとともに知った事は、実は11月4日にすでに起きていました。ドリームスペルによれば、事実上のオバマ氏の当選日は11月4日で、それはkin 260――13太陽――260日の銀河周期の最後の日にあたります。次に新しい(260日)サイクルが終わるのが2009年7月22日で、再び13太陽となります。その日に、2012年12月21日までに見られる最後の皆既日食が起こるでしょう。そして、その日は古い秩序の完全な日食(消滅する日)――新しい世界への上昇の始まりの決定的な日になることでしょう。 アインシュタインのものだといわれている格言は言っています。「ある問題を生み出した時と同じレベルで、それを解決することはできない」。政府が銀行にどんなに資金を注入したとしても、金融システムが復活することはあり得ません。お金は生物圏の衰退を生み出しました。(ショッピングモールには好都合でしたが)、政治はこの破壊的な行為を支えてきたのです。オバマ氏は、前任者達によってすでに確立された政策を遂行しているだけなので、彼は失敗しつつある制度と時代遅れの価値観を支援しようとすることに、ほとんどの時間を費やすことになるので、疑いもなく政治的に失敗するでしょう。古い政治のやり方への執着している限り、また完全に開発されたビジョナリー(幻視者)に進化しない限り、彼も結局塀をつくるレンガの一つになってしまうでしょう!! それはこういうことです。歴史的な物質主義という文明のタイタニック号に起こっていることは、今まさに沈みかけていて、宇宙にはそれを救う手立てはないのです。真実でないもの、人類の如才なさがもたらした人工的に形作られたものは、一掃される運命にあります。船が明らかに沈没しつつあるのに、エンジンを修理しようとしてもあまり意味がないでしょう。2009年は、この事実がすべての人々にとって、取り消せないほど明確になる年となります。 ドリームスペルでは、グレゴリオ暦2009年の最初の7ヶ月は、太陽銀河年でいう青い電気の嵐の年です。これは、すさまじい宇宙エネルギーが(触媒作用を起し)大きな変化を起こし、そのエネルギーは人間がコントロールできる範囲を超えています。そしてこのエネルギーこそが、実際に、自然界や人間の無意識層にハリケーンの力を及ぼして働きかけ、脆弱で人工的な制度とテクノロジーを吹き飛ばすのです。 2012年へ向けて急な下り道への分岐点としての2009年は、人類の社会制度の崩壊だけではなく、それは人類自身にとっても、次の段階に進化するのか、あるいは死ぬのかという、本質的な選択を迫られることを意味します。一方で、権力を掌握するエリートと奪われた人の両者の答えとして、戦争と軍事的衝突は引き続き起こるでしょう。でもこの混乱状況の中で、「地球生命」が、次のレベルに進化するために、宇宙エネルギーが準備をさせるために注がれるので、意識の目覚めが集合体で表れることになります。 従ってグレゴリオ暦2009年の最後の5ヶ月間は意味深いものとなります。皆既日食の4日後となる7月26日には、新しい太陽銀河年、KIN4黄色い自己存在の種の年が始まります。新しい世界を開花させる種が完全に植え付けられるでしょう。これは同時に新しい4年周期の始まり――それは私達を、2012年に、そしてそれを超えて導く周期です。(それまでの4年周期―種から嵐の年は、基本的にジョージ・W・ブッシュの第2期目として際立っていました)。7月18日―22日に、インドネシアのバリ島で召集されることになっている第1回ヌースフィア世界会議では、新しいサイクルのための土台が築かれるでしょう。 この会議は、いかなる古い秩序の社会制度に執着することなく、それによって損なわれてしまっていないレンズを通して、世界を展望する、初めてのイベントになります。そのかわりに、この展望は、――ヌースフィア――という私たちの進化の目的を、地球をまるごと宇宙的に認識する、というところまで解き放たれた意識によって、伝えられることになるでしょう。ヌースフィア――地球の精神的な層――、この地球の新たな地質学的段階を表す用語は、バイオスフィア(生物圏)が宇宙意識の状態へ変容することを意味しています。これは精神的で超自然的な飛躍であり、それと同時に、2012年というクライマックスを迎えるオメガポイント(最後の時点)によって起こされつつあり、2012年に続いて起きる、ある種の生物物理学的な地球の変化と一緒に起こるのです。ヌースフィアが予言することは、純粋になった人類を媒体として、意識を復活させることなのです。 「かれらは反省しないのか。アッラーが天と地、そしてその間にある凡てのものを創造なされたのは、唯終わりのときのため、また定めのときのためであることを。だが人びとの多くは、その復活のときに、主との会見を否認する。」 コーラン第30章8節より IV. ヌースフィアの到来――唯一の真の変化 「この期間は、長年蓄積されたパワーにさらなるパワーが加わるとき、驚くべき出来事が次から次へとおきるでしょう。あなたの記憶にも、そしてあなたの能力にも、パワーが注がれます。この偉大なるパワーを受け取ることを喜びなさい。」 『知識の書』(Mevlana,) p.729より グレゴリオ暦の2009年に、昔のSF映画の名作「地球が静止する日」(1949)のリメークが(キアヌ・リーブス主演で)上映されることは、意味のあることです。UFOの目撃が最初に多く集中した時期に制作されたこの映画は、ホワイトハウス前の芝生に宇宙船が着陸し、銀河のより高い知性が、人類に対し、地球を完全に破滅させる危険のある核兵器レースに突入することの愚かさを伝えようとする物語です。 そして60年を経て、新しいバージョンの「地球が静止する日」の上映は、絶妙なタイミングであり、さらに予言的なのです。地球上のすべてのエネルギーが停止するところで映画は終盤を迎えます――車は動かず、電気をはじめあらゆるエネルギーが使用不可能となります。技術者は成すすべも無く、トラックの中で立ち止まってしまう、「地球が静止した日」。このような展開になるのは、銀河の秩序という、より高度なパワーを持った知性的存在が、ただ人類にその子どもじみた自己破壊的なやり方を放棄するよう、説得するためなのです。 地球を静止させた不思議な力がどんなものであれ、このストーリーは高い知能をもった宇宙人が地球に着陸するシーンも映し出します。人類より遥かに優れた知性という点が最も注目されます。というのは、ヌースフィアの到来によってもたらされると預言されているのが、まさしくこの知性だからです。このような道徳と魂と知的な知性における変化が、銀河的な進化の必要性によってもたらされます。その銀河的な進化の必要性が、集合的な道徳的知性であり、魂の向上である惑星意識への戻ることのないクァンタムシフト(量子的転換・大変化)である――ヌースフィアの到来――をもたらす推進力なのです。 ヌースフィアへの転換――バイオスフィアの変化――それだけが、真の変化です。例えば、それが、テロを撲滅する唯一の方法なのです。なぜならば、今日のテロリストというのは、これまで進歩という神話やお金を崇拝してきた私達自身の一部を反映しているに過ぎないからです。お金そのものが無くなれば、その時、テロリストが存在する原因も消滅するということです。オサマ・ビン・ラディンでさえ、貨幣制度を守るために恐怖のオーラをつくりだすための、米連邦準備制度(FRB)、世界貿易機関(WTO)、国際通貨基金(IMF)が、生み出し、でっち上げた影の神話でしかないのです。 ヌースフィアの到来――集合的テレパシー意識への次元上昇――が、地球温暖化や根絶されるべき社会的不正の原因といったレベルの、人間社会を根底から覆す真の変化を生み出します。物質主義は機械の奴隷なのです。そして、機械は生き延びるために地球の資源を食い尽くすモレク(訳注:子どもを人身御供にして祭ったセム族の神)なのです。物質的進歩は、モラルやスピリチュアルの成長には有害なのです。機械を維持していくために、社会的不平等と地球規模の汚染を生みだしたのです。ヌースフィアの到来により、機械は、それがそうであるように、本質的な価値を持たない単なる人工的な物として見られるようになるでしょう。機械の親である、人間の心は、そのあらゆる次元において、探求され、宇宙的なものになるための新しい領域として理解されるでしょう。これを行なうのに機械は不要です。 ゴレゴリオ暦2009年は、大混乱、無秩序、そして社会的無政府状態の、最後から2番目の年となるでしょう。新しい世界とその価値が十分に明らかになり、そのことが、古い物質主義――過去と、精神的に進化したヌースフィア的な、はっきりと明確な未来との間に大きな隔たり(分岐)を生み出すでしょう。人類は選ぶことができるのです。物質主義という、欲深く、神経症的で破壊的なふるまい――また、そういった生き方を支えてきたすべての制度に忠実でいるという古い価値観にしがみつくのか。あるいはこれを、創造力、サイキックの探求、精神的浄化、そしてシンプルになった、自分で続けられるアヒンサー(非暴力)などのヌースフィア的価値に、力を与え、発展させ、サポートする重要な時だと気づくことを選ぶのか。「時はお金なり(Timeis money)」の古い価値観か、それとも「時は芸術(Time is art)」という新しい価値観に向かうことを選ぶのか。お金のあるところには不調和があり、芸術のあるところには調和があります。それほどシンプルなことなのです。地球は、芸術作品として変容することを待っているのです。 2009年――あなたが、本当の自分が誰なのかを思い出す年です。 Universal love and in lak'ech! ホゼ・アグエイアスのホームページ http://www.lawoftime.org/index.html |
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